京都御苑・近衛邸跡地

京都御苑の北側・今出川御門近くに五摂家筆頭であった近衛家の屋敷があった跡地があります。
 といっても地元民でもこの説明じゃ場所がわかりにくいと思いますので(^^;)
地図はこちらです。(goo様提供)

ここにあった屋敷は織豊時代の頃に当時の近衛家当主であった近衛前久が建てた物です。
といっても当時戦乱であちこちを流浪していた近衛家にそんな金があったわけが無く、 前久はある「由緒ある金蔓」におねだりするわけです(^^;)
この「由緒ある金蔓」というのが島津氏なんですな。
島津氏と近衛家の由緒ある腐れ縁ヾ(^^;)についてはこちらが詳しいです。→越前島津屋形「島津忠久の伝説」
…もっとも当時の島津氏も豊臣秀吉に敗北、出費が一気にかさみ急激に借金が増えていた時期でもあり、このおねだりに対して反発する空気は強かったようですが、結局その費用を出さざるを得なかったようです。(参考文献『流浪の戦国貴族 近衛前久』谷口研吾 bk1説明 amazon説明

その後、何回かの火災で焼失した物の幕末までここに近衛家の邸宅があったのですが、明治維新で明治天皇が東京に移ると近衛家も東京に転居し、ここにあった邸宅はバラバラに売られたりつぶされたりしたのでした…。・゚・(つд∩) ・゚・ 。

現在ここには当時の庭園であった池のみが残り、日本有数のしだれ桜の名所となっています。

今出川御門からはいるとすぐ右手にこのような横道が。こちらが近衛邸跡への道。


左手の鬱蒼とした林の中に、わずかに滝組が残っています。※クリックすると拡大写真を表示
当時の権勢はすでに平安後期の最盛期に遙か及ばなかったとはいえ、摂関家の格式が偲ばれます。

そして今出川御門から歩くこと1分強で到着(するはず)。

 近衛邸跡 ※クリックすると拡大写真を表示

苑池にかかるしだれ桜(*´д`)※クリックすると逆方向からの写真を表示

 
 ともかくどこを見ても桜だらけ!※クリックすると拡大写真を表示

これは梅か桃かな?

平日の夕刻というのに人多数。
※写真のどこかをクリックすると一部の拡大写真を表示

現在跡地には池しか残っていないのですが、建物の一部は移築されて残っているようです。

ちなみにここのしだれ桜は京都のあちこちでよく見かける「紅しだれ」とは品種が違い、ソメイヨシノよりは早く咲き早く散ります。ここを狙ってみたい人は通常の開花予報より1週間ほど早めに動かれることをお奨めします。

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